あかりをつけましょぼんぼりに~♪
親子で楽しくひな人形の飾りつけをしていると、自然に口ずさんでしまう「うれしいひなまつり」の歌。
♪あーかいおかおのうだいじん、、、はて?「うだいじん」って何だろう?
そこで今回は、「左大臣」と「右大臣」にスポットをあててご紹介したいと思います。
右大臣と左大臣の意味は?
「うれしいひなまつり」の歌詞には普段は聞きなれない「お内裏様」や「官女」、「右大臣」などのキーワードに興味を持った子どもから説明を求められることもあると思います。
しかし、いざ説明するとなるとなかなか難しいですよね。
男女雛だけの親王飾りが主流の昨今、5段飾りと7段飾りにしか登場しない左大臣と右大臣の影は薄くなりつつあります。
そんな左大臣と右大臣は「随臣(ずいじん)」と呼ばれ、お殿様とお姫様を守る重要な役割を担っています。
どんなときにもお殿様やお姫様のそばにいて、お殿様とお姫様に害を与える敵から身を守る、現代でいえばボディーガードやSPのような仕事です。
しかし、左大臣右大臣という名称からイメージされるような大臣っぽい仕事ではありませんよね。
着ているものを見ても、大臣の着るようなものではなく、闕腋袍(けってきのほう)と呼ばれる下級武官も着用する着物を着ています。
このことから、左大臣右大臣ではなく左近衛中将(さこんのちゅうじょう)と右近衛少将(うこんのしょうしょう)ではないかという説もあります。
この左近衛中将と右近衛少将は、天皇のそばに仕えて護衛する仕事で、現代の皇宮護衛官(天皇や皇族の警備)と同じ仕事ですね。
左大臣と右大臣どちらが偉い?
「左右」という言葉があるように、左大臣のほうが右大臣より位が高く、見た目も左大臣が白鬚を蓄えた老人で、右大臣は凛々しい若者になっています。(若い方が右大臣なんです!詳細は後述。)
また、左大臣は別名「一上(いちのかみ)」と呼ばれ、現代の内閣総理大臣のような役目もあったそうです。
そして右大臣は左大臣の補佐として、左大臣が不在の時にはその仕事を務めます。
実際に左大臣と右大臣を飾るときには
・右大臣は向かって左側
つまり、上のお殿様とお姫様から見て右が右大臣、左大臣になります。
京都の朝廷で、天皇は南に面した御所に居ました。
南に面する天皇から見て左(東)から日が昇ることから、左の方が位が高くなっているそうです。
ひなまつりの歌の右大臣は間違い?
ひなまつりの歌と言えば「うれしいひなまつり」ですね。
昭和11年に発表された「うれしいひなまつり」の歌詞は、「ちいさい秋みつけた」や「かくれんぼかくれんぼ」などの童謡を作詞した詩人サトウハチロー氏によるもの。
でも実は「うれしいひなまつり」の歌詞には2つの間違いがあります。
まずは二番の歌詞
とありますが、「お内裏様」というのは、男雛、女雛の両方を指す言葉なんです。
「お雛様」というのも、三人官女や五人囃子などの雛人形すべてのことを指す言葉です。
そして三番の歌詞
実際に右大臣と左大臣を見てみると一目瞭然なのですが、顔が赤いのは左大臣の方なんです。
作詞をしたサトウハチロー氏も、この間違いを認識していたそうです。
そのため、この曲をあまり気にいっていなかったといわれています。まさかここまで有名になり、ひな祭りとともに定着するとは思わなかったかも知れませんね。
まとめ
雛段の4段目を飾る左大臣と右大臣。なかなか興味深い2人でしたね。
「うれしいひなまつり」の歌詞の間違いについても、きちんと子どもに説明することで、子どもの好奇心をくすぐるかもしれません。
お内裏様以外の人形たちにも注目してみると、思わぬ発見があるかもしれませんよ。
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